春が近付いている。風が気持ちよい。春のにおいがする。
このごろは寒さが続いていた韓国へ行ってきた。
4度目の韓国、2度目のソウルである。
2年半前につくったソロ「ミモザ」、6カ国11名のダンサーとインプロパフォーマンス、合わせて4回公演。とても実りある旅であった。
文化オリンピックとはオリンピック、パラリンピックの前後に行われる文化事業で、
今回の公演はその一環で行われていた。
何より集まる人達が素晴らしかった。
人柄や品、そしていまの社会対して提示するからだ、踊りに芯があった。
暑いところからきた、寒いところからきた、あの街がすきだ、電車の乗り方、切符の買い方、ご飯の話、生活の話、家族の話、踊りの話。
つたない英語で、踊りで、沢山会話した。
今回の公演には障がい者、ダウン症、保護観察所の子供達、そしてラオスで地雷をうけた子供たちも出演していた。
できること、できないことの線の引き方、価値の違い。
お金は、国や境界が変わると違う通貨になる。路線も、食事も違う。
日頃「これができて当たり前」という価値観が、ひっくり返る。
いろいろな人と出会うと、心身ともに潤う。荒波もくらう。その先は、だいたい見晴らしがいい。
いま住んでいる周りの環境を、愛おしいなと思い出しながら、ひとつの体で新しい出会いを求める。
瞳にうつることも、うつらないことも、出来事は小さく漂っているもの。
一つすくってはまた一つ、遭遇できたらいいなと思う。